桜井高校育友会

三輪山一周走歩大会
2003.2.7


 
  毎年恒例、「三輪山一周走歩大会」が開催されました。
  「体力、運動能力の向上を目指すなかで、地形のアップダウンを利用したクロスカントリーは発育期に相応しいトレーニグであり、長距離や難コースを完走することで達成感や成就感が得られ精神的成長に繋がる。また、身近な自然である三輪山を中心としたコース設定をすることで心身両面、社会的側面も併せた全人的発育を図る」ことを目的に、毎年この時期に実施されている学校行事です。

  長谷川河川敷をスタートし、大神神社、桧原神社はじめ寺社が林立する山の辺の道を走り、三輪山腹に駆け上る・・・
歴史ファンが聞いたら羨むようなコースは、日々三輪山を仰ぎ見ながら学校生活を送っている桜井高校ならでは。とはいえ、男10.8km、女子6.2kmのアップダウンのあるコースは、相当にしんどいことでしょう。

  わたしたち育友会は、二手に分かれて後方支援をしています。
  まず、男性役員は万全の防寒対策をして、スタートからゴールまでの要所に立ち、生徒の安全に留意しながら声援を送ります。今年は最年長役員も生徒たちと一緒に走り、好タイムでゴールしました。
  女性役員は、ゴールした生徒たちを迎えるために食堂で待機します。完走した生徒たちのために、食堂の方々がこの日のための特別メニュー「特製豚汁」を用意してくださるので、その配膳のお手伝いをするのです。常日頃から格安、手作りがモットーの食堂では、とっても具だくさんのおいしい豚汁をびっくりするほどたくさん作ってくれます。普段は、家族の人数分だけしか作らずお椀によそわないわたしたちには驚異とも言うべき量でした。
 
  スタートから約40分ほどで、第1位でゴールした男子生徒が帰って来ます。ほとんど頭から湯気が立っている状態ですが、まだまだ余裕の表情。その後、ぽつりぽつりと帰って来るその誰もが、寒風の中を駆けて来た空気を運んで来るようでした。

  それから、わたしたちは、まるで目が回るような忙しさに巻き込まれます。生徒たちが大挙してゴールし、そのままの団体が食堂へ帰って来るのです。元気そうな顔、疲れきった顔、ポーカーフェイスの面々・・・
  5人の女性たちは、そんな彼、彼女たちに「お帰りなさい。お疲れ様。おいしい豚汁どうぞ」と声をかけながら、ただただひたすら働くのですが、その途中でふと手が止まるくらい嬉しい言葉をたくさん聞くことになりました。

 「お帰りなさい。お疲れ様。豚汁どうぞ」と声をかけると、生徒たち、特に男子たちが決まって「ありがと うございます。いただきます。」と会釈しながら豚汁の丼を受け取ります。食べ終えて器を返しに来る時も、「ごちそうさまでした。ありがとうございました」とまた声をかけ会釈をしていくのです。また、それ以外に何かの用がある生徒たちも、綺麗な敬語で話し掛けてきます。

  ちょっと聞いたらとても当たり前のことですが、その当たり前のことが身についていない人がたくさんいる時代にあって、彼らの自然な行動の中で普通に口をついて出る言葉は、ふだんからきちんとした挨拶の習慣があるのだと、嬉しく誇らしく感じさせてくれました。
  でも、これは何も今年に限ったことではなく、生徒たちは入れ替わっていくのに、その挨拶は毎年変わらず聞かれるのです。それはきっとそれぞれのご家庭が、彼らをそのように育てられて来られたからにほかなりません。こんな目立たない、でも胸を張れる「伝統」は、きっと絶えることなく続いていくだろうと思いました。

  完走してきた生徒達(1,2年生)、既に進路が決定していて各所でお手伝いをしてくれた3年生たちも みんな豚汁を食べ終えたら、一時は立錐の余地がなかった食堂はがらんとしていました。「食堂のおばちゃん」体験をしていたわたしたちも、誰言うともなく今日の感想を話し合いながら、具だくさんのおいしい豚汁をご馳走になりました。
  わたしたちは、実際にはお手伝いしたのかお邪魔しただけなのか不明(たぶん、後者)ですが、桜井高校の生徒たちと直接ふれあい、言葉を交わせる数少ない機会がこんな充実した時間であったことは、いつまでも心に残る思い出になることでしょう。

                                                                     (報告:育友会 副会長)
 
(「食堂のおばちゃん体験」は楽しかった)


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